2007/12/20

Welcome to Principia Cybernetica Web

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覚え書き。

理科系一流大学を目指す人は、このWebを読むと勉強になる。

巷に散乱する非論理的文章

ベネッセがバックアップしている「教育のまぐまぐ!」というMLがあります。ベネッセがついているからといって、やはり読者は注意を怠ってはいけませんね。たとえば、2007/12/20号は、「1人での食事が性行動を助長する?」というセンセーショナルなタイトルです。しかし残念ながら、中身はまったく頂けないモノでした。

http://education.mag2.com/seijijou/071220.html

書き手は大葉ナナコさんという日本誕生学協会なるものの代表理事をしているお母さん。本文のタイトルは「『孤食』がまねく、性行動の低年齢化」となっています。しかし、「性行動の低年齢化」の根拠が、本文中どこを見回してみても、一つも示されていないのです。それに、性行動が早いというのは、いったい何歳くらいなのでしょうか、10歳でしょうか、16歳でしょうか。またどのような性行動でしょうか。そういう肝心な情報が何一つ示されていないのです。それなのに、推論のうえに推論を上乗せした議論を展開してしまっているのです。たとえば、次のように。。。。

性行動を開始するのが早い子どもたちのライフスタイルを見ると、夕食は1人でとるという子が圧倒的です。あたたかい夕食を一緒に食べる家族がいなければ、同じ境遇の子どもたちが集まり、ファーストフードなどを一緒に食べたがるのも無理もありません。

つまるところ、大葉さんは、子どもが独りで朝食や夕食をとるようではいけませんよ、と私たちに警告したいのでしょう。私たちは、その趣旨はもちろん理解できます。しかし、文章表現としては、絶対に受け入れられるものではありません。

国語や算数のような教科学習の目的は、大葉さんの文章を見てちょっと飛躍しているな、非論理的だなと感じるような能力を育むことではないでしょうか。また、そうでなければ、論理的文章を解読することはできず、いつまでも「勘」に頼ってしまう事になってしまうでしょう。